村上世彰著、角川書店、9月8日に読み始めて今日読了しました。
投資で成功するためにも、買い物上手になるためにも、物の価値や価格の感覚を養うことが大切です。
投資家は社会の中で重要な役割を担っています。株式投資家がきちんと役割を果たすかどうかによって、日本経済の将来が決まると言っても過言ではありません。
投資で成功するために一番大事なことは、テクニック的なことよりも、投資の本質をきちんと理解し、投資の社会的な意義を意識しながら取り組むことです。
特に、自分なりの「幸せの基準」というのは、何をする上でも重要になってくると思います。
要するに、人は好きなことに没頭している時に幸福感を感じますし、好きなことに関して能力を伸ばしている時には、さらに幸福感を感じるものだ、といえると思います。
しかし、究極的に幸福を感じることができるのは、人のために何かをして役に立てた時、そして喜んでもらえた時だと思います。家族、子ども、恋人、友達など、自分にとって大事な人のために何かをすることができて、それを喜んでもらえたら、誰でも幸せを感じることでしょう。
そういった気持ちがさらに発展すると、他人のため、社会のために何かをすることにも、同じく幸福を感じられるようになると思います。
私は40代になってから、ボランティアや寄付などの活動を熱心にするようになりました。それは義務感というよりも、それによって幸せな気持ちを感じることができるので、「やりたいからやっている」という面が強いのです。
投資で得られるものは金銭的なリターンですが、ボランティアや寄付をすることで得られるものは、相手から返ってくる笑顔や「ありがとう」という言葉、そして自分が誰かの役に立てたかもしれないという温かい気持ちです。
このような考え方や感覚は、決して誰かに強制されるべきものではありませんが、若い皆さんの中で、早い段階でこういう感覚が芽生えてくれるとうれしいなと思っています。実際に私の話を聞いたり本を読んだりして、寄付やボランティア活動に関心を持って、それらに取り組み始めたという話を若い人から聞くこともあり、それは涙が出るほどうれしいことです。
もちろん、今の時点ではそういう気持ちや感覚を理解できなくてもまったくかまいません。なんとなく「そんなものなのかな」という程度に心にとどめていただくだけでいいと思います。
いろいろなことに一生懸命取り組む中で、自然とそういう感覚が芽生えてきたり、何かのきっかけで自然にそういう気持ちになったりするものだと思うからです。
そして、人生において究極的に幸福な状態というのは、自分なりにミッションを見つけて、それに邁進している状態だと思います。
ミッションとは「できるかどうか分からないくらい難しいけれど、一生をかけてやり遂げたいこと」、「他の誰かではなく自分がやらなくてはならないと思えるようなこと」です。
そして、それは生きる意味や目的になるようなものです。
その時に大事なことは、やはり自分が心から好きだと思えることを極めていくことです。そして、自分にしかできない技術・ノウハウ・発想を磨いて、AIにも取って代わられない、自分にしかできない仕事を見つけることです。
投資の本質とは何か、これを深く掘り下げていくと、世の中全体を幸せにしていく力だと言えます。
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