『メモの魔力』

前田裕二著、幻冬舎、2019年2月28日に読み始めて今日読了しました。本体は早々に読み終えたのですが、「【特別付録】自分を知るための【自己分析1000問】」に取り組むのに時間が必要でした。
メモの魔力風のメモを実践しています。自己分析1000問も、機会をみて今後も取り組んでいきたいと思っています。

p26~27 人間にしかできないこととは、独自の発想やセンス、視点で、アイデアを創出することです。決して、情報をそのまま書き写すなどといった、機械的なオペレーション作業ではありません。そんなことはこれからもう、なるべくなら、機械に任せていきましょう。この本と出会ってくださった読者の皆さんは、どうか、「知的生産」のためにメモを使ってほしい。これこそ、「AIに仕事が奪われる」という言説が得も言われぬ世の不安を扇動する今、僕たちが最も磨くべきスキルです。より希少性が高く、大きな付加価値を生み出せることに、僕ら人間の大切な時間を割いていくべきです。
 ビジネスに限らず、僕から生まれ出るほぼすべてのアイデアは、ふだん無意識に通り過ぎてしまいそうなことに目を向けて、逃げずにそれらを「言語化」することで生まれています。その知的生産の過程を、「メモ」と呼んでいるのです。そして、この、人間にしかできない知的生産活動こそが、仕事の真髄であると思います。

p36 言語化の過程で、思考はどんどん深くなります。思考こそ、言語をもたらす燃料です。つまり、思考→言語→メモ。言語化能力向上を言う目的に立ったときに、メモという「思考と言語化のきっかけ」を提供する、身近ながら最強のツールを使わない手はありません。

p39 何らかの目的を持って、日々、あらゆる情報に対して、毛穴むき出し状態でいられるかどうか。身の周りのあらゆる情報にアンテナを張り、そこから何らかの知的生産を行う意識を持てているかどうか。この、弛まぬ知的好奇心と、知的創造に対する貪欲なスタンスこそが、メモ魔として最も大切にすべき基本姿勢であり、この本に出会ってくださった皆さんにフォーマット以上に身につけてほしい素養です。

p87 ものごとは時間をかけて考えれば、すべてはシンプルな言葉、すなわち抽象概念に落とし込めます。

p89 抽象度のレイヤーを上げるためには、相応の思考をしないといけません。「その具体をまとめると、結局何が言えるんだっけ?」と考えることには時間がかかるのです。そして、それが、人間の思考能力における一番優れたところでもあります。人間以外の生物には抽象化思考ができません。だからきっと、言語を扱えないのでしょう。

p89 抽象化を通じてインプットした法則は、あとからいくらでも他の具体に転用して味わえる、「価値のある原液」になります。カルピスの原液にソーダを掛け合わせると別の飲み物になるように、最初の原液さえ持っていれば、別の何かで薄めることで全く違う新たなものが生み出せるかもしれない。自分の意識次第でいくらでも原液を採掘できるこの情報の時代に、あらゆる原液の前を素通りしてしまうことは、とても機会損失が大きなことだと思います。

p195 人生は「時間をどう使ったか」の結果でしかありません。ならば「時間をどう使うのか」というところで、自分の人生の勝算につながる選択をすべきです。すべては、これからのあなたの選択にかかっているし、その選択の前提となる人生の軸を自己分析によって得ていることは、大変な強みになります。

p196 それは、「熱」です。
 ふつふつと煮え滾って今にも爆発してしまいそうな、マグマのような熱です。これを根源に持っていれば、ただノウハウを知るだけではなくて、自ら生み出していくことができるようになります。ノウハウ本を読んだだけでは終わらず、抽象化したり、自分ごとにして、再生産できるようになります。その源にあるのは、やはり圧倒的な熱量です。

p208~209 僕にとって、メモとは生き方そのものです。
  メモによって世界を知り、アイデアが生まれる。
  メモによって自分を知り、人生のコンパスを持つ。
  メモによって夢を持ち、熱が生まれる。
  その熱は確実に自らを動かし、人を動かし、そして人生を、世界を大きく動かします。
 

コメント