『難民問題』

墓田桂著、中公新書、2020年12月27日に読み始めて今日読了しました。

難民問題に取り組んでいた知り合いがいて、その方の活動が少しは理解できるようになったと思いました。

p3〜4 「ホモ・モーベンス」、建築家の黒川紀章はかつてこの言葉を用いて、都市のあるべき姿を論じた。ホモ・サピエンスに倣った黒川の造語で、「動くヒト」、または「動民」を意味する。ホモ・エレクトス(直立するヒト)の時代から人類の歩みは移動によって刻まれてきたと考えれば、私たちはまさにホモ・モーベンスである。
 人類の歴史を俯瞰したとき、難民現象は「人の移動(human migration)」の一つの側面として浮かび上がる。現代に限らず、古代より人間は「移動する動物」だったとするなら、人が流れ動く様子はことさら異常なものではない。難民の動きも特殊ではない。

p213 冷戦期もそうだったように、自国の平和と安全の維持において、諸国はすでに「脱国連」、あるいは「ポスト国連」の段階にある。

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